医療的観点交えながら経済・経営を考えるサイト

医療的観点交えながら経済・経営について考える医師のサイト

デジタル薬局、今後数年で年平均17%の成長予想

 米国のコンサルティング会社DRGによると、オンライン薬局市場の成長率が今後6〜7年で、平均17.3%の予想となるようです。薬局のデジタル化が進むと、投薬ミスの減少や、薬剤師の調剤に掛ける労力が減少することによる患者対応への時間の増加といったメリットが期待できます。

 コロナ禍を背景にデジタル薬局の利用者が増加し、2020年は年17%の増加となりました。患者の利便性が向上するため、新型コロナウイルス終息後も、市場は拡大すると考えられるようです。

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20600/

 

 日本では現在、調剤薬局の市場は縮小していくと予想されています。現在、調剤報酬の改定が度々行われています。これは、団塊の世代後期高齢者の年齢に達する2025年までに医療費を削減することが目的で、今後も改定がハイスピードで行われると考えられています。調剤報酬の改定によって、調剤に加算される調剤基本料は低下し、服薬指導などの対人サービスに加算される薬学管理料が増加します。政府は、薬剤師の労力を調剤ではなく、地域に密着したサービスに割いて欲しいと考えているわけです。そのため、調剤薬局の市場は縮小すると考えられています。

 これはあくまで私見ですが、このような背景を鑑みて、日本においてもデジタル薬局市場が拡大する見込みは十分にあるのではないでしょうか。デジタル薬局を導入すれば、調剤にかかる人件費の削減につながり、かつ薬剤師は対人サービスに労力を割ける様になります。コスト削減と同時に、薬剤師が対人サービスに労力をかけることができる様になるため、メリットが大きいように思いました。